ユーロの緊縮政策がもたらす失業と格差に苦しむフランス。通貨を収奪の手段に利用する勢力に対抗するため、フランスの通貨「フラン」を、ビットコインと同じ仮想通貨として復活させたらどうだろうか。それならユーロ圏の離脱は必要ない。
フランスに足りないのは労働力でもなければ、生産性でもない。おカネが足りないのです。おカネが自由貿易と市場原理によってどんどん他の国に吸い上げられてしまい、経済活動のために循環すべき通貨が不足している。しかし、通貨発行権のないフランスは逆立ちしてもユーロを増やせない。しかも、国民はユーロというカネの幻想から醒めないまま。
なら、フランスの通貨「フラン」を仮想通貨で復活してはどうか。
もちろん、フランを法定通貨とすればEU内は大騒ぎになってしまうでしょう。法定通貨である必要はありません。ビットコインが法定通貨でないのと同様に、法定通貨でなくとも通貨は機能するのです。
仮想通貨は金利が付かない、ですから「貯め込む」利点はありません。しかし手数料を格安、あるいは無料化できるでしょう。つまり貯め込むのではなく「財やサービスを交換する」のであれば、法定通貨でなくとも利点が大きいのです。つまり当初は「取引専用通貨」として、利便性をてこに普及を図るのです。
珍しいことではありません。取引専用通貨なら、電子マネー、SUICAなどと同じなのです。ユーロからフランへの交換は1:1、フランからユーロへの交換はなし。それでもSUICAと同じように、利便性によって利用者が増大する可能性は十分にあります。もちろん電子マネーの一種として、ビットコイン同様、政府はこれを禁止できません。
そして、フランが十分に利用されるようになれば、仕掛けるのです。
ベーシックインカムを組み込んだ通貨として。
一定割合で万人に分配される通貨の働きにより、おカネの不足は解消されます。フランスに足りないのは労働力でもなければ生産性でもない、まして財は有り余っています。足りないのは、おカネです。
そして、テクノロジーの進化と共に、「貯め込むためのユーロ」は流通しなくなり、「使うためのフラン」が流通の中心になるはずです。通貨は使うからこそ普及するのです。そして使われるからこそ価値が担保されるのです。
ユーロの緊縮に苦しむフランス人のために、
フランを仮想通貨で復活したらどうか、と思うのです。