米国の保護主義的な政策、欧州各国における反グローバリズム政党が台頭する中で行われた5月のG7財務省会議において、格差是正が声明に取り上げられました。これは反グローバリズムの高まりがもたらした「成果」かも知れません。
引用:G7声明は世界経済が成長する一方で、低・中所得者に影響が大きい格差の拡大に直面してきたと指摘。「経済成長の果実が広く共有され、成長率を引き上げることに取り組む」とし、格差是正に向けた政策課題を示した付属文書をまとめ、各国に実行を促した。(時事通信)
こうした格差是正の声明が盛り込まれた理由は、米国や欧州において高まっている反グローバリズムに対する政治支配層の危機感でしょう。反グローバリズム運動によって彼らの足元が危なくなって、ようやく事態を改善しようとする姿勢を示したわけです。所詮、それがなければ既存の政治家は何もしない。
もちろん、こんな声明一つで何が変わるとも思えないですし、単なるガス抜きのリップサービスだと思われます。それでも公式声明があるだけでもマシでしょう。まだ、始まったばかりです。つまり、
ますます反グローバリズム運動を高める必要がある。
政治支配層のリップサービスだけで終わらせないよう、実際の効果があらわれるまで、反グローバリズム運動を継続しなければなりません。その意味で、欧州における極右政党の台頭は「怪我の功名」かも知れません。そんなことを言えば彼らには失礼かも知れませんが、ある意味「極右政党という武器をチラつかせないと、既存の政治支配層は何もしない」。
極右、極左政党の台頭を歓迎しよう。
毒をもって毒を制する。それくらいのしたたかさがなければ、政治支配層には対抗できないかも知れません。冗談がきついと思われるかも知れませんが、大衆はそれくらい怒っているのです。極右政党は大衆にとって最終兵器かも知れません。もちろん兵器は諸刃の剣です。しかし肉を切らせて骨を絶つしか道は無いかも知れないのです。
大衆に最終兵器を使わせるとしたら、
それは既存の政治家の責任である。