BS(バランスシート)を知らなければ金融政策を理解することは不可能です。新聞マスコミを読んで金融政策を知ったようなつもりで居ると、間違いなく御用学者に騙されてしまうでしょう。BSを知らなければ赤子同然なのです。
新聞マスコミはBSを用いて金融政策を説明しません。恐らく、その方が簡単に庶民を騙せるからだと思います。BSを用いて説明すべきことを、言葉だけで説明しようとすると、相当な困難に直面します。もちろん、BSを知っている人ならBSを用いない説明を聞いても意味を理解できます。しかし、BSを知らない人が聞いても、まるでチンプンカンプンか、トンでもない誤解をしている可能性が高いでしょう。BSは図で説明しなければ理解は困難だからです。
そして、金融政策とBSは不可分です。
ゆえに、BSを知らなければ金融政策を理解できないのです。
新聞マスコミが金融政策に関して偉そうなことを書いていても、それをBSで書かないのは非常に怪しい行為です。実のところ、BSで書くと「逃げがきかない」のです。言葉だと、ああいえばこういう式に逃げられますが、BSは数式のごとく厳密なので、誰も逃げられない。ウソだったら、たちどころに炎上します。
たとえば、民間の国債購入、日銀の国債買い入れ、財政再建まですべてBSで説明できます。政府、日銀、銀行、民間のBSをならべて変化を追うのです。それをやると、新聞マスコミの説明とは別のことが、いろいろ見えてくるのです。これがまずいんでしょう。庶民が余計な知識を膨大に身につけてしまうことになるからです。
「国の借金ガー」「ハイパーインフレガー」を垂れ流している評論家の本も、BSが書かれていない場合は、ウソ八百を流している場合があるかも知れません。BSを使わなければ、ああいえばこういう式に、どうとでも言えてしまうからです。
BSの基本的な概念は決して難しくありません。もし、新聞マスコミが庶民を騙すつもりでないのであれば、BSの初歩から国民に説明を尽くすべきだと思います。