2019年2月1日金曜日

生産活動よりもおカネが先に立つ

生産活動よりもおカネが先に立つ。つまり、おカネが先にあれば、生産活動が活発化するのです。なぜなら「カネが欲しいから、人間は働く」のです。馬の鼻先にニンジン。

簡単に考えましょう。商品となるモノが何もない状態、例えば、農地があるだけだとします。そこに労働者がいます。おカネを発行して、この労働者に「農地を耕してイモを作ってくれたら、このおカネをあげる」と言います。すると労働者は必死に働いて、イモを生産します。

つまり、イモが先にあるのではなく、先におカネがあるわけです。おカネが欲しいがために労働者は働き、その結果、イモが生産されるわけです。これは企業でも同じです。カネがあれば、そのカネが欲しいから企業が活動して財を生産し、販売し、カネを得るわけです。

ですから、生産活動を活発にするには、カネが先にあることは有効です。政府が「カネを発行して国民に配る」と言えば、そのカネが欲しいと多くの企業は考え、新しい商品を開発し、生産し、市場に投入します。つまり「需要を見込んで生産が活発化する」わけです。

消費税の増税は、これの逆ですね。政府が「消費税を増税する」と言えば、国民の購買力が無くなると企業は考え、コストを抑制して、生産を縮小し、在庫の増加に備えます。「景気後退を見込んで生産を縮小する」わけです。

ちょっと考えれば小学生でもわかると思います。しかし、マスコミは、こんな単純な話も理解できません。むしろ「金利がー」「国債暴落がー」など、わざわざ国民が理解できないような話を持ち出して、騒いでいます。国民がだれも理解できなくても、とりあえず、大学の教授でも出しておけば信じるだろう、てなもんですw。

経済やおカネの本質的な仕組みは、そもそも簡単なはずですが、それをわざわざ難しく解釈して、理解の難しいように説明し、そこに大学教授を連れて来て、その後光によって自らの主張を信じ込ませる、というパターンを繰り返しています。

景気を回復するのも基本は簡単です。ニンジンを馬の鼻先にぶら下げて走らせればいいわけです。そして走ったらニンジンを食わせてやる。ところが、今の政府や財務省は馬のしりをムチでビシビシ叩いて走らせようとするものですから、馬は欲求不満になるし、馬の体力も低下しますね。それで、馬の潜在成長力が低い、なんてしたり顔で言うのですから、呆れてしまいます。

潜在成長力を引き出すには、馬の鼻先にニンジンをぶら下げないとだめなんですよ。生産活動を活発化する方法なんか簡単です。まず必要なのは、馬の鼻先にぶら下げる「カネ」です。