2018年9月17日月曜日

アベノミクス成功!とは言い難い

アベノミクスに一定の効果があったことは明らかですが、では「アベノミクスは成功!」と胸を張れるかと言えば、そんな状況ではないと思います。

アベノミクスを失敗だと評する人が居ますが、それはさすがに客観的とは思えません。失業率が減少し、企業の利益が増加し、通貨供給も以前よりは伸びてきたからです。ただし、政権発足から5年の歳月を費やしても、まだインフレターゲット2%すら達成できていません。はたして、それが成功と言えるのか?時代はリーマンショックからの回復期にあり、下手をすると、アベノミクスでなくとも、その程度まで回復できたかも知れないのです。

しかも、それはあくまでマクロ指標であって、本当にアベノミクスが成功したと主張するには、少なくとも庶民が景気回復を実感できるほどでなければ意味がありません。マクロ指標は重要であっても、マクロ指標を改善するために政治をするのではない。アベノミクスの低調ぶりは、まさに「伸び悩む消費」にそのまま現れていると思われるのです。

遅すぎる回復のスピード。経済政策として金融緩和だけでは不十分であったといわざるを得ません。アベノミクス3本の矢のうち、もっとも効果の高い「財政出動」が蔑ろにされてきたことに大きな原因があったであろうことは、ほぼ間違いないでしょう。

消費税の増税さえなければ、今頃は・・・・

そう主張するかも知れませんが、アベノミクスは政策ミックスであって、政策の一つである「消費税の増税」もアベノミクスの一環であったわけです。つまり、消費税の増税が含まれるだけでも、アベノミクスには欠陥があるといわざるを得ないのです。

もちろん、財務省をはじめ、自民党議員、マスコミ、御用学者といった緊縮派の面々がひしめく今の日本の政治の中で、それ以上を望むのは酷だとの意見もあるでしょう。しかし、そんなことで「まあいいか」などと国民が妥協していたら、社会を支配する連中の都合の良いようにやられてしまうだけです。

アベノミクスは甘すぎる。

ぬるま湯のような金融政策や財政政策だから、5年経ってもインフレ率2%すら達成できないほど消費が伸び悩み、国民の生活実感が改善しない。消費が増えることで国民の生活が底上げされなければ、アベノミクスに何の意味があるのか。消費増税のお膳立てのためなのか?

今からでも遅くはない。大胆な金融緩和と財政出動を行なうべきだ。それは金融緩和と財政出動のあわせ技である「ヘリコプターマネー」によって可能であり、それは国民の消費を引き上げることで国民の生活そのものを向上させ、それによりインフレターゲットも容易に達成することが可能となるのです。