「バラマキ=悪」という、短絡的なイメージを新聞マスコミが世論に定着させたことで、日本経済を回復させることは非常に困難になっています。まさに新聞マスコミは万死に値するのではないでしょうか。
バラマキはマイナスのイメージ用語です。具体的な定義がありません。そのため、あらゆる財政支出について「バラマキだ」と非難することを可能にするのです。つまり「ムダな公共工事」も「社会保障支出」も「教育投資」も、すべて「バラマキだからやめろ」で片付けることができるのです。
もちろん、ほくそ笑むのは財務省です。何しろ財政支出は1円も増やしたくない。そのためには「バラマキ=悪」のイメージは実に役に立つのです。緊縮派の最強のツール、それが「バラマキ=悪」。この最強誘導ツールで、少しでも世の中におカネを流すような政策は、ことごとく「バラマキだー」と騒いで潰すことができます。
本当はバラマキの中身こそ問題なのですが、
そんなことはお構いなし。
このバラマキ思考停止の元凶が新聞マスコミです。「公共工事は効果を精査しながら行う必要がある」、と言えばいいのですが、そういう難しい表現は使いません。短絡的に「公共工事はバラマキだから悪だ」を繰り返したため、国民はよく考えもせずにイメージだけで反射的に反応するようになってしまいました。
こうなると、年金等の社会保障を充実しようとすれば「バラマキ」、生活保護も「バラマキ」、もちろん国民への給付金であるヘリコプターマネーやベーシックインカムは「最悪のバラマキ」という具合です。
そもそもバラマキの何がどうして悪いのか?
国民は理解していないでしょう。
それを理解させ、財政支出の意味や効果などをきちんと評価させるのがマスコミの本来の役目なのですが、そんな意識はまったくないようです。彼らの目的は「とにかく財政支出を減らすこと」なのです。だから、大衆に余計な知識など授ける必要はありません。だから「バラマキ=悪」のイメージだけ刷り込めば、それで良いのです。
その結果、どうなるか。
もし与党が国民に給付金を配ろうとすれば、
→野党が「バラマキだ止めろ」と騒いで妨害。
逆に野党が社会保障を増やそうと主張すれば、
→与党が「バラマキだ止めろ」と騒いで妨害。
なんじゃそりゃw。何があっても国民におカネを渡さない、緊縮アリ地獄かw。ほくそ笑むのは財務省だけです。