米国政府や野村総研のレポートによれば、20年後には人工知能やロボットが労働者の仕事の半分を代替可能だといいます。その人数は日本の場合で3000万人にも達する。もちろんそれは最大数であって必ずそうなるわけではありません。しかしその1/3の1000万人としても膨大な数です。それだけの雇用を作り出すことはまず不可能でしょう。失業者があふれ出す大問題です。もちろんその結果、デフレ不況が深刻化します。
今はまだそんな危機感を感じないでしょう。当然です。技術的な進歩は直線的ではなく指数関数的に増加しつつ仕事を奪いますから、気が付いたときには、すごいペースになっているはずです。しかし大概の人は尻に火が付くまで真剣に考えません。火が付いてから大騒ぎするのです。それはマスコミもまったく同じ。たとえばトランプ氏が出てくる素地がアメリカで醸成されている段階ではまったく無視。トランプ大統領が誕生してから「なぜなんだ、どうしてなんだ」と大騒ぎ。
技術的失業問題が深刻化した段階で急に大規模な対策を行えば社会が混乱するでしょう。今から少しずつ手を打っておくのが賢いやり方だと思います。それは技術的失業問題を指摘している他の学者も主張しています。
技術的失業問題(AI・ロボット)から攻めましょう。
しかも日本経済は相変わらす消費が弱く、デフレから脱却が難しい。中国経済の減速や保護主義の高まりで外需依存の経済はますます厳しくなります。小額ベーシックインカム(ヘリマネ)から始めれば、社会に大きな混乱をもたらすこともなく、景気回復効果もある。つまり長期的な技術的失業対策だけでなく、短期的にはデフレ脱却対策ともなる。一石二鳥ですよw。
景気が回復すれば、企業の投資も拡大するし、ますます人工知能とロボットの導入が進むでしょう。それがベーシックインカムの持続可能性を高めます。生産資本が蓄積されれば、あとは生産者と消費者の通貨循環システムを組むだけです。