「選挙が分断を引き起こす」というセリフは、あたかも、選挙での勝利者が分断を引きこしたかに見せかける、実に巧妙な印象操作と言えるでしょう。意図的に原因と結果を逆にしたストーリーを作る。マスコミの常套手段ですね。
大統領選挙以前から、すでに既存政治家の政治によってアメリカ社会は格差が拡大し、様々な問題が蓄積し、社会の実情は分断されていた。だからウォール街を占拠せよなどの運動も起こるほどでした。しかし、選挙がなかったから、「一見すると分断が無いように見える」だけに過ぎなかったと考えるのが自然です。
アメリカは選挙前からすでに分断していた。
ここにこそ、問題の本質があるのです。表面的に分断が見えないからといって、選挙前は分断がなかった、とのマスコミ御用学者のポジションは、あきらかに偽善です。もしアメリカ社会に分断が無かったとしたら?国民の大多数がある程度満足できる政治が行われていたなら、たかが選挙で社会が分断することなどあり得ない。大統領選挙によって、分断した社会の実態が明らかになったに過ぎないのです。
マスコミの大好きな、「勝ち組と負け組」の社会。
トランプ大統領は、ここから生まれてきたはずです。もしアメリカ社会が分断されていなければ、トランプ大統領は誕生していたでしょうか。おそらく相手にされていなかったでしょう。
民主主義の危機も、ポピュリズムも、大衆主義も、すべて分断された社会から生まれてくる。その分断を生んだのは、既存の政治であって、それ以外の何者でもない。