2017年3月17日金曜日

公共投資やるなら資源テクノロジーへ

財政政策が求められています。公共工事も重要ですが、もっと重要な投資は「資源テクノロジー」への研究開発投資です。途上国が経済成長を始めれば、たちどころに資源不足に陥る危険性が高く、一刻も早い対策が必要です。

現在の世界は先進国も途上国も不況ですが、リーマンショック前までは先進国も途上国も好景気だったことを思い出すべきです。つまり今は金融資本主義の制度的な欠陥によって「カネが回らない」から世界が不況なのであって、もし、政府通貨制度などの採用で欠陥が克服され、世界のカネ回りがよくなれば、世界経済は成長期に戻るはずです。

世界経済が本格的に回復すれば、資源需要が増加し、資源価格が暴騰するでしょう。おそらく日本政府はそのときになって大騒ぎするでしょうが手遅れです。資源価格の暴騰はオイルショックと同じ災い、つまり深刻なスタグフレーションを日本にもたらすに違いありません。資源が暴騰してしまえば、金融政策も財政政策も意味がありません。

ですから、近い将来における資源枯渇への対策として、資源テクノロジーの研究開発を国家主導で強力に推し進めておかねばならないと思います。それは海外に依存せず、日本国内で資源を賄うための技術です。日本の国内で資源の大部分を調達・リサイクルできるようになれば、資源価格の暴騰を恐れる心配は無くなります。

具体例としては、エネルギー分野におけるメタンハイドレートや自然エネルギーのコスト引き下げ、構造材分野における金属資源の代替(植物プラスチックやナノファイバー等)、希少資源におけるナノテクノロジーによる代替などです。こうした研究は官民ですでに始まっていますから、その予算を2倍3倍に増やして加速させるのです。

カネなど刷ればいくらでも無尽蔵にできます。しかし資源が枯渇すれば何もできません。デフレの今のうちにカネをバンバン刷って、将来の資源不足の時代に備えた研究開発に投資しないでどうするのでしょうか。財務省にそんなビジョンはありません。あるのは緊縮財政だけ。

財政赤字や人口減少など問題ではありません。
資源が枯渇すれば、日本は間違いなく貧困化します。
資源安の今こそ、資源テクノロジーに取り組まねばなりません。